相続の弁護士費用の実際とは。当事務所の実例で解説

法律事務所羅針盤(千葉県市川市)所属の弁護士本田真郷です。

弁護士に相談する前に、費用に関する不安を抱えている方はとてもたくさんいらっしゃいます。

ネットで調べても、日常では出会うことの少ない独特の言い回しや専門用語が多く、自分にどの料金があてはまるのか?ということがそもそもわからないということを相談されます。

このコラムでは、当事務所でもお問い合わせ頂くことが多い相続案件の費用について当事務所の料金設定を例に説明します。

もちろん、相談する弁護士事務所によって料金設定は様々異なりますが、当事務所は弁護士会の定める報酬規定や近隣相場など調査した上で料金を決めておりますので、1つの目安となる費用として参考にしていただけるかと思います。

1 弁護士費用は主に5種類ある

弁護士費用は主に5種類あります。まずは簡単に用語を説明します。

・相談料

受任(依頼)前のご相談時に掛かる費用です。30分単位や1時間単位で一定額の相談料が設定されているなど、実際の相談時間に応じて費用が発生することが多いです。

・着手金

案件着手時(ご契約時)に発生する費用です。いわゆる手付金をイメージいただくと分かりやすいと思います。ただし、通常の手付金と異なり、着手金は事件の成否に関わらず確定的に発生する(=案件が上手くいなかった場合でも返還されない)ものとなっています。

・報酬金

事件処理によって一定の成果を獲得した場合に、成果に応じて発生する費用です。例えば、弁護士に依頼することで得られた相続財産額の◯%など、依頼者が得た利益に応じて報酬が決まります。

・各種日当

多数回の出頭を要する裁判手続、遠距離移動等を伴う案件などの場合に、個別に発生する費用です。

・実費

交通費、通信費、裁判所申立費用など実際の事件処理のために掛かる費用です。

弁護士に依頼する場合の弁護士費用は上記の5つが主なものとなります。

次の項では、相談料や依頼内容別に、具体的な金額を説明していきます。

2弁護士のへの相続相談料、当事務所の場合

まずは、当事務所の相続相談について説明します。ご相談いただく方法は3つになります。

(1)通常相談

当事務所の通常の相談料は相続に関することに関わらず、30分あたり5500円(税込)です。

初回の相談は60分程度になる方が比較的多いです。

ご相談時間が50分の場合は、31分~60分の相談料が適用されるため、ご相談料は1万1000円(税込)となりますが、できるだけ時間内に多くの情報をお伝えできるように努めております。

(2)出張相談

当事務所へのご来所が難しい場合、ご自宅などご希望の場所にお伺いしてご相談を承ることが可能です。

出張相談の場合は、通常の法律相談料に、次の出張相談日当と交通費実費を加算させていただきます。

【出張相談日当】

①千葉県・東京都・埼玉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県内の場合

1回あたり1万1000円(税込)

②その他道府県の場合

1回あたり3万3000円(税込)

(3)無料の相続相談会

当事務所では毎月2回、相続よろず個別相談会を開催しております。

相続よろず個別相談会にご来所いただいてのご相談の場合、ご相談料は無料です。

こちらは相続に関して、具体的なトラブルに限らず、なんでも気軽に弁護士相談頂けます。

申込方法、日程などの詳細は下記ページをご確認ください。

3 事件処理のご依頼をいただく場合の費用について

(1)遺産分割にかかる弁護士費用

遺言を残さずにお亡くなりになった方がいた場合、残された相続人が亡くなった方(被相続人)の財産を誰がいくらもらうかを決め、財産の分割手続を行う必要があります。それが遺産分割です。

遺産分割の弁護士費用は、着手金:33万円、報酬金:33万円+取得した財産の11%です(いずれも税込)。

ただし、遺産が預貯金のみである場合の着手金は22万円となります。

例えば、遺産総額6000万円(不動産あり)の遺産分割について、最終的に3000万円の財産を依頼者が取得した場合の弁護士報酬は、着手金33万円+報酬金11%363万円の合計399万円(税込)となります。

当事務所の場合は調停や審判手続を行う場合も費用は同様で、追加着手金・報酬が発生することはありません。(事務所によっては追加費用になる場合もあるので相談している弁護士に確認をしてください)

相続財産総額や事件の難易度によって費用を減額させていただく場合もあります。

うちの場合どうなるの?ということについて疑問があれば、お見積書を発行しますのでお気軽にお問い合わせください。

(2)遺留分侵害額請求にかかる弁護士費用

法律では、相続人が少なくとも一定割合の相続財産をもらうことができるよう、最低限度の相続分が規定されています。これを「遺留分」といいます。もし亡くなった方(被相続人)が相続財産を赤の他人に全部譲るとの遺言書を残していたとしても、被相続人の配偶者(妻や夫)は、相続財産の2分の1(相続人が配偶者だけの場合)は遺留分として相続できることとなります。そのため、もし遺言書に自分の名前が書かれていなかったり、金額が遺留分よりも少なかった場合は、足りない分を遺留分として請求することができます。これを遺留分侵害額請求といいます。遺留分侵害額請求については、請求する場合と、請求される場合で費用が異なりますのでそれぞれ説明します。

・請求する側の場合

遺留分侵害額請求を行う場合の弁護士費用は、着手金:22万円、報酬金:取得した財産の16.5%です(いずれも税込)。

なお、遺留分侵害額請求の裁判手続(調停・訴訟)を行う場合の着手金は33万円ですが、交渉段階からご依頼をいただいている場合は、差額着手金11万円で裁判手続を承ります。

例えば、相手方に対して遺留分侵害額請求を行い、交渉で200万円を支払ってもらうことで合意したとします。その場合、弁護士報酬の総額は着手金22万円+報酬金33万円(200万円×16.5%)の合計55万円(税込)となります。

・請求される側の場合

遺留分侵害額請求を受けた場合の弁護士費用は、着手金33万円、報酬金:支払いを免れた額の16.5%(最低報酬額33万円)です。

裁判手続を行う場合の追加着手金は不要です。

例えば、相手方から遺留分侵害額請求を受けて1000万円の支払いを求められたとします。相手方と交渉し、800万円の支払いで合意が成立した場合、請求された金額から減額できた200万円分が、ご依頼者の利益として計算されます。そのため、弁護士報酬の総額は着手金33万円+報酬金33万円(200万円×16.5%)の合計66万円(税込)となります。

(3)相続放棄

相続には、預貯金や不動産などプラスになる財産だけでなく、借金などのマイナスになる財産も含まれます。マイナスの財産の方が多く、相続をしたくない場合には相続すること自体を放棄することが認められています。これを相続放棄といいます。

相続放棄を行う場合の弁護士費用は、相続放棄を行う相続人お1人あたり手数料11万円(税込)です。

なお、同順位の相続人(同じ額を相続する権利をもった方)が同時に相続放棄を行う場合、2人目以降の手数料はお1人あたり5万5000円となります。

例えば、配偶者+子2人が相続人である場合、全員同順位の相続人となるため、同時に相続放棄を行う場合の手数料合計額は11万円+5万5000円×2=22万円(税込)となります(一人当たり手数料7万3333円)。

相続放棄も他の手続と同様実費負担が生じます。実費は主に戸籍謄本取得費用及び裁判手続費用(千葉家庭裁判所市川出張所の場合は1人あたり1052円程度)です。

戸籍謄本取得費用は、必要となる戸籍謄本通数によっても異なりますが(被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本その他相続人の確定に必要な戸除籍・原戸籍謄本等が必要となります)、通数が多い場合で1~2万円程度(少ない場合は数千円程度)です。戸籍謄本等は、相続放棄を行う人数に関わらず各1通で足りるため、人数に乗じて加算される費用ではありません。

(4)遺言作成

相続に関するトラブルを回避するため、生前に遺言を準備しておくのは重要なことです。しかし、相続に関する法律知識が十分ではない方が書くと、せっかく遺言を残してもトラブルを防ぐことができないケースも多くあります。弁護士は、ご本人のご希望を十分伺いながら、トラブルを予防できる適切な遺言を残せるようサポートします。

・自筆証書遺言の場合

ご本人が遺言内容を自分で書く遺言を自筆証書遺言といいます。

自筆証書遺言は基本的に遺言者自身が自筆で作成する必要があるため、当事務所では、遺言書文案に関する作成、助言その他必要な調査業務を行います。

自筆証書遺言の作成手数料は11万円(税込)です。

遺言書保管制度を利用する場合も追加の手数料はありません。

上記手数料の他に定型的に発生する費用はありませんが、実費(戸籍謄本取得費用、交通費等)が発生する場合があります。

自筆証書遺言は、ご本人が自宅で作成して保管している場合も多く、手続の簡易さが大きなメリットの1つですが、他方で紛失や改ざんといったリスクがあったり、本人に意思能力がない状態で誰かに書かされたのではないか?と他の相続人から疑われたりするなど、トラブルが起こりやすい遺言でもあります。弁護士に作成依頼、保管してもらうことで、そのようなリスクを回避できる場合も多くなります。

・公正証書遺言の場合

公証役場で公証人という専門家が作成する遺言を、公正証書遺言といいます。自筆証書遺言と違い、作成から保管まで一貫して専門家と行うため、形式不備や紛失・改ざんなどのリスクはありません。

公正証書遺言作成業務の内容は、主に遺言書原案の作成に要する調査・打ち合わせ、公証役場との交渉、作成時の公証役場への同行などです。

公正証書遺言の作成手数料は11万円(税込)です。

作成時に公正証書遺言の証人となることも可能で、別途費用は生じません。

紛争になりにくい遺言書を作成するという観点から、公正証書遺言は非常に有効性の高いものですが、公証役場との打ち合わせや、必要書類の準備など手間がとてもかかるというデメリットはあります。

弁護士に依頼することで面倒な交渉や知識が必要になる部分を代行してもらえるので、そのような手間を大きく軽減することができます。

なお、公正証書遺言作成時には、当事務所の手数料・実費の他、公証役場手数料が必要となります。

公証役場手数料は所定の計算式による算出となっており、例えば、総額5000万円の財産妻と子2人に各2000万円ずつ相続させる内容の遺言を作成する場合、約8万円の手数料額となります。

公証役場手数料の詳細は日本公証人連合会HPをご参照ください。

・遺言書保管

当事務所で遺言書(公正証書遺言の場合は遺言書の正本または謄本)をお預かりする場合の保管料です。

当事務所所属弁護士を遺言執行者にご指定いただいてる遺言書は無料でお預かりいたします。

その他の遺言書については、年間保管料1万1000円(税込)で、初回お預かり時に10年分(11万円)を予納いただき、以降10年経過毎に同様の予納をいただきます。

遺言書は、紛失や改ざんのリスクが常にあります。また、実際に改ざんされていなくとも、「改ざんされたのではないか?」という疑いが持たれることもあります。弁護士をはじめとした専門家に保管を依頼することで、そのようなリスクを回避することができます。

(5)遺言執行

遺言を残した状態で、本人がお亡くなりになった場合、その遺言内容を実現していくことを遺言執行といいます。そして、遺言内容を実現するための具体的な手続を行う人を、遺言執行者といいます。遺言執行者は、例えば、遺言執行の対象財産の状況を調査の上、相続財産も目録を作成し、預貯金の解約払戻しを行なったり、各種不動産や有価証券などの名義変更の手続を行なったりし、その上で遺言書の記載のとおりに相続財産の分配を行うなどの業務を行います。

この、遺言執行者は親族を指定することもできますが、各種手続に慣れない親族が行うと、なかなか手続が進まず、財産の分配がされないなどのトラブルが起きることもあります。また、親族執行者自身の負担も大きなものになってしまいます。

そこで、事前に遺言書で、弁護士などの専門家を遺言執行者として指定しておくことで、遺言執行時のトラブルを回避するとともに、ご親族等の手続の負担などを代行してもらうことができます。

当事務所の遺言執行手数料は以下の表のとおりです。

遺言執行の対象となる財産の価格遺言執行費用
300万円以下の部分については33万円
300万円を超え3000万円以下の部分2.2%
3000万円を超え3億円以下の部分1.1%
3億円を超える部分0.55%

例えば、遺言執行対象財産が1億円である場合の手数料は、

33万円+(2700万円×2.2%)+(7000万円×1.1%)=169万4000円(税込)

となります。

(6)各種日当

ここまで各種相続手続の費用に関して、当事務所の具体的な金額を例にして解説しました。その他の費用として、下記のような日当が発生する場合があります。

・出張日当

案件の対応のため、出張を行う場合には以下の日当が発生します。

千葉県・東京都・埼玉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県内の場合 無料

その他道府県の場合 1日あたり3万3000円(税込)

・出廷日当

調停・訴訟等の裁判手続への案件を通じた出頭回数が所定の回数を超える場合に発生する費用です。

調停・訴訟等の出廷回数が5回を超える場合、1期日あたり2万2000円(税込)

4 自分の場合はいくらかかるのか?と思われたらお見積りをご依頼ください。

相続にかかる弁護士費用は上記が主なものになります。

ただ、相続に関するご依頼は、その方によって様々で、「自分はどれにあてはまるの?」とか「自分の場合は結局いくらぐらいかかるの?」ということがなかなか判断できないことも多いと思います。

事案の性質や難易度に応じて費用を調整させていただく場合もありますので、個別に「自分の場合はどうなの?」と思われた方には、御見積書にてご案内いたします。 御見積書発行を希望される方は、事前にご相談をお受けする必要がありますが(相続相談会の場合は相談料無料)、御見積書発行費用は無料ですので、お気軽にご用命ください。

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