相続法改正③遺言書保管制度の創設

法律事務所羅針盤(千葉県市川市)所属の弁護士本田真郷です。

相続法改正の概要紹介の3回目、今回は遺言書保管制度の創設についてです。

1 改正のポイント

法務局において,自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度が創設されました。

2 従来の問題点

自筆証書遺言は,自宅等で保管されることが多く,紛失したり,相続人による破棄,隠匿,改ざん等が行われたりするおそれがありました。
また,相続発生時には,家庭裁判所での検認が必要となり,手続負担が重いという問題もありました。

3 今後の実務

今回の改正相続法により,自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことが可能となりました(遺言書保管法)。
法務局で保管されている遺言については,相続発生後,相続人等は,遺言書保管事実証明書の交付を申請することにより,遺言書の保管の有無の照会を行うことが可能となります(遺言書保管法10条1項)。
また,法務局で保管されている遺言については,検認手続が不要とされました(遺言書保管法11条)。

4 課題・留意点

(1)法務局への保管申請
遺言書の保管申請は,遺言者の住所もしくは本籍地または所有する不動産の所在地を管轄する法務局に対し,定型書式により行う必要があります(遺言書保管法4条)。
また,保管申請時には,遺言者本人が法務局に出頭することが必要となります(遺言書保管法4条6項)

(2)保管期間
法務局における遺言書の保管期間は,原則として,遺言者の死亡日から相続に関する紛争を防止する必要があると認められる期間であり(遺言書保管法6条5項),遺言書については50年,遺言書に係る情報(遺言書保管法7条参照)については150年とされています(遺言書の保管等に関する政令5条2項)。

(3)関係者への通知    
遺言者が死亡した後,相続人等が遺言書情報証明書の交付等を受けたときは,遺言者の相続人,受遺者及び遺言執行者に対し,遺言書保管の事実が通知されます(遺言書保管法9条5項)。

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