マンション管理組合の滞納管理費等を回収する法的手続の実例

法律事務所羅針盤(千葉県市川市)所属の弁護士本田真郷です。

マンション管理組合において、組合員である区分所有者が管理費や修繕積立金等を滞納した場合、法的手続による滞納管理費等の回収を検討することができます。

この滞納管理費等を回収する法的手続の内容について、内容証明郵便を送ったり、訴訟を提起したりするというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、具体的な手続の流れや所要期間の目安まで把握されている方は少ないのではないかと思います。

そこで、今回は、当事務所において滞納管理費等の回収を行った際の実例に基づき、滞納管理費等を回収する法的手続の実際の流れについて紹介します。

※基本的には実例に基づきますが、関係者の特定を避けるため一部事例を改変している場合があることご了承ください。

目次

滞納管理費等の金額

約100万円(約2年分)

手続の流れ

2021.3相談実施
2021.4当事務所受任
相手方組合員に対し内容証明郵便送付(反応なし)
2021.5訴訟提起の理事会決議
2021.6千葉簡易裁判所へ訴訟提起
※滞納管理費等に加え、弁護士費用や督促費用も併せて請求
2021.10一審判決(弁護士費用も含め全額認容)
相手方組合員が千葉地方裁判所に対し控訴申立
2021.11控訴審追行の理事会決議
2021.12附帯控訴申立(一審訴訟提起後に生じた滞納管理等を追加請求)
2022.3控訴審判決(附帯控訴分も含めて全額認容)
2022.4判決確定
相手方組合員に対し判決確定に基づく請求書を送付(反応なし)
2022.5相手方財産状況の調査開始(弁護士会照会を通じた預金調査)
2022.6相手方預金口座に相当額の預金があることが判明
債権差押命令申立の理事会決議
2022.7千葉地方裁判所に対し債権差押命令申立
債権差押命令発令
2022.8取立手続実施(全額回収)

弁護士費用や督促費用も含めて請求を行うためには、これを認める内容の管理規約の定めが必要です。

上記の件では相手方が相当額の預貯金を有することが判明したため、判決確定以降は、比較的スムーズな回収手続を実施できました。

しかし、ケースによっては不動産競売等が必要となる場合もあり、所要期間は事例によって異なります。

うちの場合はどれぐらいの期間や費用がかかりそうか?という疑問がありましたら、マンション管理関連法務の経験がある弁護士相談をすることがおすすめです。

当事務所では、マンション管理組合向けの個別相談会を開催しています。

全国対応可能です。

お困りのことがありましたらいつでもご相談ください。

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