ご家族の相続、いつから何を始める? 未来の安心を一緒に考えます

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大切なご家族のこと…「相続」を考え始めたら

大切なご家族のことを想い、「相続」という言葉が心に浮かんだとき、同時に少しの不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、ご高齢のご家族の将来を案じ、「何か今のうちにできることはないだろうか」と生前の準備をお考えかもしれません。

あるいは、既にご家族がお亡くなりになり、気持ちの整理もつかないまま「何から手をつければいいのだろう…」と、目の前の手続きに戸惑っていらっしゃるのかもしれません。

どちらの状況であっても、ご家族を大切に想うお気持ちは同じです。

そして、「相続」という言葉には、普段あまり馴染みがなく、難しそう、大変そう、というイメージをお持ちの方がほとんどです。

このページでは、「相続」について考え始めた方に向けて、

  • 亡くなる前(生前)にできる準備にはどんなことがあるのか
  • 亡くなった後に必要になる手続きは何か
  • どちらの場合も、まず何から始めれば良いのか
  • 専門家(弁護士など)はどんなお手伝いができるのか

といったことを、できる限り分かりやすく説明していきます。

この情報が、あなたの心の中にあるご不安を少しでも和らげることができれば幸いです。


「生前」と「相続発生後」それぞれの準備

相続への準備や対応は、大きく分けて2つのタイミングで考えることができます。

(1) ご家族が亡くなる「前」にできる準備(生前対策)

「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、将来のことを考えて事前に準備をしておくことは、残されるご家族への大きな「想いやり」となり、ご自身の安心にも繋がります。

生前対策を行うメリット
  • ご家族間の争いを未然に防ぐ
    あらかじめ意思を明確にしておくことで、相続を巡るトラブルを回避しやすくなります。
  • あなたの想いを確実に伝える
    財産を誰にどのように遺したいか、その意思を法的に有効な形で実現できます。
  • 残されるご家族の負担を軽減する
    相続発生後の複雑な手続きや精神的な負担を軽くすることができます。
  • 認知症などへの備え
    判断能力が低下した場合の財産管理や生活のサポートについて、事前に手を打っておくことができます。
  • 相続税への配慮
    計画的な対策により、将来の税負担を軽減できる可能性があります。

生前対策で具体的にどんなことができるの?

生前対策
  • 遺言書の作成
    あなたの最終的な意思を明確に記します。
  • 生前贈与
    生きているうちにご家族などに財産を計画的に移します。
  • 家族信託(民事信託)
    信頼できるご家族に財産を託し、管理や承継をスムーズに行います。
  • 任意後見契約
    判断能力が低下した時に備え、財産管理などを任せる人を決めておきます。
  • 財産の整理・把握
    ご自身の財産をリスト化し、ご家族が分かるようにしておきます。 「まずは、どんな財産があるか調査・整理する」 ことから始めるだけでも、立派な生前対策です。

(2) ご家族が亡くなった「後」の準備(相続手続き)

ご家族がお亡くなりになると、悲しむ間もなく、様々な手続きが始まります。

何から手をつければいいの?

死亡届の提出や葬儀の手配といった直後のことから始まり、遺言書の確認、相続人の確定、相続財産の調査、遺産分割協議、名義変更、そして場合によっては相続税の申告など、多岐にわたる手続きが必要です。

まずは、遺言書の確認、誰が相続の対象になるのか(相続人の確定)、相続の対象になる財産はプラスのものマイナスのもの含めどれくらいあるのか、など現状の確認できる範囲で行いましょう。

特に注意すること
  • 期限のある手続き
    相続放棄や限定承認(原則3ヶ月以内)、相続税の申告・納付(原則10ヶ月以内)など、期限が定められている手続きがあります。
  • 相続人の確定と財産の調査
    これらを正確に行わないと、後の手続きが無駄になったり、新たなトラブルが生じたりする可能性があります。 「まず、誰が相続人で、どんな財産があるのかをきちんと調査する」 ことが、全ての手続きの出発点です。

どちらの場合も、最初のステップは「現状を正しく知る」こと

生前対策をお考えの場合も、相続が発生した後の手続きを進める場合も、まず最初に取り組むべき最も大切なことは、「現状を正確に把握する」ことです。

(A) 生前対策の場合は「財産」と「想い」を明確にする

  • どんな財産をどれだけお持ちですか?
    預貯金、不動産(土地・建物)、株式、生命保険、そして借金など、プラスの財産もマイナスの財産も全てリストアップしてみましょう。
  • その財産を、将来誰に、どのように遺したいですか?
    具体的な希望や、そう考える理由などを整理してみましょう。
  • ご家族構成や、ご家族間の関係はどうでしょうか?
    将来トラブルになりそうな点はありませんか?
  • ご自身の健康状態や、将来の生活についてどんな希望がありますか?

これらの情報を整理することが、あなたに合った生前対策を見つけるための第一歩です。

(B) 相続発生後の場合は「誰が相続人か」と「どんな遺産があるか」の調査

  • 相続人は誰ですか?(相続人調査)
    亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本類を全て集め、法的に誰が相続人になるのかを確定させます。ご自身が知らない相続人がいる可能性も考慮し、慎重な調査が必要です。
  • どんな遺産がありますか?(相続財産調査)
    不動産、預貯金、株式、借金など、亡くなられた方が遺した全ての財産(プラスもマイナスも)を調査し、評価します。

これらの調査は、正確さが求められ、時間も手間もかかることが多い作業です。

ご自身で進めるのが難しいと感じたら、この「相続人調査」と「相続財産調査」だけでも、専門家にご依頼いただくことが可能です。


「何から相談すれば…?」 専門家(弁護士など)がお手伝いできること

「生前対策といっても、何が自分に合っているのか分からない…」
「相続が始まってしまったけれど、戸籍の集め方からして難しそう…」
「まずは、財産の状況だけでもはっきりさせたいけれど、どうすれば…」

このように自分たちだけでは整理や手続きが進まなかったり、判断が難しいことがでてきたら、専門家への相談も検討してみてください。

特に弁護士は、法律の専門家として、あなたの状況に合わせて幅広いサポートを提供できます。

弁護士がお手伝いできること

  • 丁寧なヒアリングと現状整理のお手伝
    まず、あなたのお話やご希望、ご不安な点をじっくりと伺い、何が問題で、何をすべきかを一緒に整理します。
  • 正確な調査の代行(生前・相続発生後)
    生前の財産整理のための調査や、相続発生後の相続人調査・相続財産調査を、あなたに代わって正確に行い、分かりやすい形でご報告します。「まずは調査だけ」というご依頼も、もちろん可能です。
  • あなたに合った生前対策プランのご提案と実行サポート
    遺言書作成、家族信託の組成、任意後見契約の締結など、あなたの想いを実現するための最適なプランをご提案し、法的に有効な形での実行をサポートします。
  • 相続発生後の各種法的手続きのサポート
    遺産分割協議の代理交渉、遺産分割協議書の作成、遺言執行、相続放棄の手続き、その他必要な法的手続きをサポートします。
  • 将来のトラブル予防のためのアドバイス
    ご家族の関係性などを考慮し、将来起こりうる紛争を未然に防ぐための、きめ細やかなアドバイスをします。
  • 精神的なご負担の軽減
    複雑で慣れない手続きや、時には感情的になりがちな話し合いからあなたを守り、精神的なご負担を少しでも軽くできるよう努めます。

ご相談の第一歩は、あなたの「お気持ち」をお聞かせいただくことから

「弁護士に相談するなんて、何か大きな問題が起きてからでは…」
「こんな初歩的なことを聞いてもいいのだろうか…」

そんなご心配は全く不要です。

相続に関するお悩みは、早めに専門家に相談することで、よりスムーズに、そしてより安心して解決できるケースがたくさんあります。

相続の準備や手続きは、それが生前であっても、亡くなられた後であっても、多くの方にとっては初めての経験で、戸惑いや不安を感じるのは当然のことです。 特に、何から始めれば良いのか分からないという最初の段階では、お一人で抱え込んでしまいがちですよね。

でも、ご安心ください。 私たち専門家は、そんなあなたの不安な気持ちに寄り添い、複雑に感じられる事柄を分かりやすく整理し、あなたが安心して未来への一歩を踏み出せるよう、全力でサポートするためにいます。

「まずは調査だけして、現状を把握したい」
「どんな選択肢があるのか、話を聞いてみたい」

そのお気持ちが、大切な第一歩です。

その一歩が、将来の大きな安心と、ご家族の笑顔につながるかもしれません。

あなたからのお話を伺える日を、心からお待ちしています。

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